トップページ > 解体の基礎知識@ 解体工事と健康
◯解体工事と健康
「解体工事」と「健康」は一見結びつかないと思います。しかし、実は深く関係があるのです。それは、一部の業者の中には、解体物の分別をしっかりしていないために、人体に有害なアスベストや有害なガスが発生する石膏ボード等を土中に埋めて整地してしまうケースがあるからです。 新築の建物を建てるケースでも、その土地に有害な物質が混じっていると、シックハウスとなって、アレルギーやぜんそくの原因にもなりかねません。特に乳幼児のお子さんをお持ちのご家庭では、解体業者選びを人任せにするのは危険です。 解体の際は、このような人体に有害な物質や、地球環境に悪影響を与えるフロンガス、ダイオキシンなどを含む材料が使われているケースがありますが キレイに整地してしまってからでは解体作業の内容は分かりません。 一般の人にしてみると、これを監督するのは容易ではありません。 だからこそ、信頼できる解体業者に任せる必要があります。
◯アスベストとは
アスベストとは、天然にできた鉱物繊維で、「せきめん」「いしわた」と呼ばれています。 細かい繊維なので、熱や摩擦・酸やアルカリにも強く丈夫で変化しにくいという特徴があり、建材では、吹き付け材、保温・断熱材・スレート材などに使われていました。
しかし、一度吸いこんで肺の中に入ると、15年から40年の潜伏期間を経て肺がんや悪性中皮腫を引き起こすことが問題になり、今では製造や使用が禁止されています。石綿は、あること自体が問題なのではなく、飛び散ることや吸い込むことが問題となるのです。
◯アスベストの調査
自宅の家屋でアスベストか使われているか、実際気になるところです。
アスベストの調査は、専門機関でおこなっていて、設計図等による確認と現場で目視による確認後、目視の確認をもとにアスベスト含有箇所を危険度によって分類します。
さらに細かいアスベスト含有率分析や粉塵濃度を測定したい方は、詳細な分析もしてもらうことができます。アスベストの調査だけでなく、除去工事や封じ込め工事を行っている業者もあるので気になる方はチェックしてみてください。
◯アスベスト対策について
アスベストは、その繊維が空気中に浮遊した状態にあると危険であるといわれています。 解体する建物に吹き付けアスベストが使われている場合、解体工事を行う人は防塵マスクを使って自衛しながら作業を行います。
吹付けアスベストを使用した建物の多くは、建築後約30年を経過していて、建て替えのための解体等が増加することが今後予想されます。そのような場所で、知らずとアスベストが近隣の環境へ飛散することも考えられるので注意が必要です。
法改正で対策を強化
アスベストが使用されている建築物の解体等の作業による「アスベスト粉じん」の飛散を防止する措置を拡充・強化するため、措置の対象となる建築材料及び作業の範囲を拡大する「大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令」が2010年8月10日に施行されました。
作業の内容を見やすい場所に掲示することを義務づけるなど、解体等の作業の方法に関する基準を強化するものとなっています。解体をおこなう業者の方には、しっかりとアスベスト対策をしながら作業を進めてほしいものです。